WyzArtifact

高永さんが場内の音楽を担当された展示「WyzArtifact」を見てきた。

ライフスタイル家電ブランド「amadana」に携わった
元リアル・フリートのチーフエンジニアである桂隆俊さんと、
同じく元インテンショナリーズのチーフデザイナーである
中村直登さんにより創設された
クリエイティブファーム「Wyzart Inc.」による展示発表会、とのこと。
案内には、
「様々な人々がこれらの作品を見たり体験したりする事で、
 今後の世界中のものづくりの進化に繋がる
 良いインスピレーションとなればと願っています。」
とある。
本当に種みたいな状態の初期衝動から
そのまま猛スピードで作りあげてしまったような、
無邪気で実験的な4つの製品。

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高永さんが今回担当された音楽は、
4つの製品に対して4つの曲。
トイピアノなどの優しい音源により紡がれた散文的なメロディ群を、
Wyzartの作業場で収録したらしいサウンドスケープがひとつなぎにする、
というものだった。
曲と曲の間には、図面の紙を新しくめくる音。
つまり、この音楽はWyzartの連綿たる制作風景の
説明になっているというわけだ。

こういった、作品への細かい意味付けに
僕はすごく共感するし、とても良いと思う。
気遣いなんだと思うんだよね。

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ところで、肝心の展示内容については、
僕が案内文中の「単なるプロトタイプではない」の一文を勘違いして
作品を見る上で製品としての完成度に神経質になりすぎたため、
非常にモヤモヤしたものが残ってしまった。
(たとえば、腐食しやすい無垢の銅を
 日頃から手に持つものに用いるのは良いことなのか?とか)
ぜんぜん無粋だし、
展示の主旨にも沿わない悪い態度になってしまったと思う。
もっと気楽に見て良かった。

でも、あるいはそれも「こうすればもっとよくなる」という動機を
僕に抱かせたというところでは、
そうそう展示会の主旨とは外れてはいないのかもしれないのかなムニャムニャ