Alfrescoっていうソフトが最近気になって、
暇を見てフリー版を試用し始めてる。
ジャンルとしてはEnterprise Content Management(ECM)。
CMSと称される類の、Web的なコンテンツの管理システムにとどまらず、
Word、Excel、PowerPointな、いわゆるOfficeドキュメントまで含めた
統合的な構成管理ができる、なかなかのスグレモノみたい。
売り文句と思われるところの動作を、実際に試してるところだ。
SubversionをもっとわかりやすくしてブログとWikiも追加しちゃった、
みたいなものだと言えばいいのかな。
MicrosoftのSharePointのクローン、みたいな位置づけらしい。
単にバージョン管理するだけじゃなくて、
あるファイルに対して更新等のアクションが発生したときに
前もって「ルール」として設定されたチェーンアクションを
自動的に実行することもできる。
例えば、Excelで作られた仕様書が改変されたときに
自動的に印刷文書フォルダにPDF出力するとか・・・
また、Web管理画面がメインのインターフェースではあるけれど、
オープンソースのCIFSミドルウェアを取り込んでいるので
仮想的にWindows共有フォルダとして扱うこともできる。
もちろん、Windows共有フォルダとしてのアクセスに対しても
上述の「ルール」を適用することができる。
設定次第では、
見かけ上はWindows共有フォルダ上で
直接Officeファイルをいじってるだけなのに
自動的にバージョン管理して、バックグラウンドで更新通知メールを送信、
なんていうことも簡単に実現可能だ。
SharePointプロトコルもJetty経由で実装してたり、
とにかくWindows環境への親和性が重視されている気がする。
# これらの機能がフリーで提供されているということが、
# 一番の特色かもしれない。
以前、TortoiseSVNが流行ってきたときに
ああこれなら、Windowsの操作がやっとのPCに不慣れな人でも
Subversionで感覚的に構成管理できるよ、
と思って職場で試してみたことがあったんだけど、
その考えは非常に甘かった。
体感的な統計値として、世の中の30〜50%の人にとっては
リポジトリとかチェックアウトとか差分管理とかの概念は魅力的ではない。
簡単に言ってしまえば、理解に小一時間かかるようなシステムというのは
その時点でまったく合理的ではないということだ。
(ある意味でそれは非常に正しい)
最新の状態が必ず正しいという無根拠で無責任なビジネス文書編集や、
ひたすら日付文字列とか「bak」とか「暫定版」とかの
サフィックスをつけたフォルダやファイルの作成などが
内部統制云々うるさいこのご時勢で後を絶たないのは、そういうわけだ。
そういう現状を踏まえて、
Alfrescoのように利用者に対して殊更の理解は求めないけど
裏で必要なことはきちんと複雑にできる、というシステムは
とてもとても正しい、と思う。
今のところわかっている様々な理由から
Alfrescoを使うことがベストの選択とは現時点では言いがたいけど、
他にここまでの状態に仕上がっているものもあんまり思いつかない。
CMSの共通規格であるCMISが
今後本格化するかもしれない昨今、
構成管理が気になりだしている方は一度試されてはいかがでしょうか。
フルインストール版だと導入も非常に簡単です。
なお、日本語の翻訳や、日本でのサポートは
株式会社イージフが3年も前からやってて、
ここの先見性は素晴らしいな〜と思った。
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