最後の曲がまた終わる。

1999年、僕が大学1年生のときから憧れ続けていた
ワイルドマイルドというバンドが今日、
最後の曲を奏でた。
3回目のアンコールで、もう次はないのだということが
よくわかってしまった。

ライブが始まるまではずいぶん気楽にいたのだが、
曲が始まると、とても穏やかな気持ちではいられなかった。
最初に会ってから10年、写真を横で撮り出してから6年。
久しく聴いていなかった曲の数々が演奏されるたびに、
良い思い出も悪い思い出もみんな燃やされていくようで
苦しかった。しんどかった。

でも、きっと必要なことだったんだと思う。



今夜は、ステージがすごく遠かった。
いつもの千葉LOOKのはずなのに。
僕は、LOOKに行き始めた頃にステージをすごく遠くに感じたのは
ライブハウスというものに不慣れだったからだと思っていた。
でも、今夜はそれが間違いだとわかった。

たぶん、ワイルドマイルドの今までのライブで
いちばん多くの人が来ていた。
人の山を越えた先、遠く遠くのステージで、
僕が大好きだった曲が終わっていった。
何回も、何回もだ。



ライブが終わり、ほどほどに人がはけた後で、
タカヨちゃんが企画したプレゼント映像を
メンバーに見せた。
彼女は3年くらい前から
ファンのみんなで歌のリレーをしている映像があると良い、
と言っていて、
今回、ワイルドマイルドへの感謝の気持ちをこめて
作ることにしたのだった。

いろんな人の助けがあって、良い映像が作れたと思う。
みんなワイルドマイルドが大好きだった。
12年の間、これだけの人々の軸にワイルドマイルドがあったんだと思うと
そのことだけはどうしてもワイルドマイルドに伝えておきたいと思った。



同窓会みたいに、ファンのみんなとおしゃべりした。
人によっては、しばらく会う機会もない。それが寂しい。
何かを手がかりに、みんなとまた会いたい。



君をずっと待ってる。
ここでずっと待ってる。
だからさよならは言わないで。
幼い瞳は、涙の数だけ言葉にできなかった。

もしも夢にはぐれて、見失うときは、
あの夏の日々を思い出して。
いつでも僕が、信じてるから。
いつでも君が、輝けるように。

(ワイルドマイルド「夏の終わり」)