昔話

そして、「星の王子様」を引きずったままの僕は、
ライブ中に、どうでもいいことを思い出したのです。

僕は中学生まで、正確に言うと高校に入って数ヶ月くらいまで、
いわゆる秀才でした。
中学2年の最初に転校してきてすぐの中間テストで学年1番になっちゃうような、
そんな嫌な子でした。

オツムの出来と勉強の出来は全然別の問題なんです。
僕は勉強はよくできましたが、オツムはいまいちだった。
ですがその見分けはきっとすごく難しい。
僕はオツムもよくできていると扱われざるを得なかった。

中学3年のときに通っていた塾を、高校に入ってからも惰性で少し続けていたのですが、
塾長のはからいで、高1じゃなくて高2のクラスに通わされていたんです。
高2のレベルでも大丈夫だろうって。


ああ、あのときの居心地の悪さといったら。


そんなことを思い出してました。
なんででしょうね。


おとなになって、テストの点数とか、校則とか、生徒会とか、未成年者の飲酒喫煙とか、
そういったものから解放されてようやく、僕は人と真っ直ぐ向き合うということを知りましたし、
人も、僕にかつてはられていたレッテルを意識することなく、
真っ直ぐ向き合ってくれるようになりました。

それだから余計に、おとなになった今も、そういった余計なレッテルをはられるときが
とても悲しいのです。