7年ほど住んだアパートを出て、隣町に引っ越した。
妻が犬を飼いたがったので、ペット可の物件に引っ越す必要があったからだ。
家賃が1万円上がったけど、それくらいなら、まあしょうがないか。
引っ越して3か月ほど経ち、そろそろお迎えしても良いくらいに落ち着いてきた。
飼う犬は、ランコントレ・ミグノンという動物保護団体から引き取ることに決めていた。
この団体は、放っておけば殺処分になってしまう動物を引き取り、飼ってくれる人が現れるまで保護している。
多少いやみな言い方をすれば、ここにいる子はみんなそれぞれに訳あり。
でも、月2回の譲渡会に出向けばわかるけど、みんなとても良い子ばかりだ。
みんな良い子だから、誰を引き取ろうかとても悩ましかった。
変な眉毛のある子にした。
ほんとうにちゃんと引き取れるのか、ということもあるので、2週間トライアルで引き取ってから正式譲渡という流れになっている。
まだようやく1週間経ったところだけど、もう1か月くらい経ったような気持ちになる。
ちゃんと引き取れるのか自分たち自身がいちばん不安だったのだけど、すごく良い子だったことに助けられて、今のところ何の問題も無い。
逆に、この子は実は嫌がっているのをがまんしているだけなんじゃないか、って心配になるくらいだ。
名前は「芙由子(ふゆこ)」にした。
いつもは、ふうちゃん、と呼んでいる。
毎日毎日、とてもかわいい。
でも残念ながら、僕にはまだなかなかなついていない。すごく怖がられている。
時間が必要なのだろう。
ふうちゃんは、たぶん以前おばあちゃんに飼われていたんじゃないかって思う。
お茶のにおいを妙に好いて、飲みたがる。そんな犬、聞いたこと無い。
タンニンがあまり体に良くないらしいのであげられないけど、昔は飲んでたんじゃないかな。
3歳くらいだろうと推定されているふうちゃんに、これまでどういう生涯があって、どういうときにお茶のにおいに良い思い出ができたんだろうな、ってことを考え出すと、なんだか泣けてきてしまう。
わからないことはお互いにまだまだ多いけど、これから長く、同じ家族で暮らしていくのだ。
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