この夜の北千住は、
なんだかなんだか、寂しくなるばかりでした。
夢のない光景。
花もうなだれる中秋。
ああ 実際のところ、僕はもう自分自身が散々どっぷり浸かってきた悲観とか皮肉とかってうんざりで、
マイナスに満ちた夜の北千住は、僕の心を、
マイナスのマイナスみたいな、ある考えで頑なにしていくばかりでした。
僕ら、もっと夢を見ていかなくちゃならないんじゃないのか。
ここ10年くらいのこの国の不景気は大半の民衆から生気を奪ってしまって、
夢なんか見ないでこの現実に目を向けなさい、と理知的っぽい自愛ニヒリストを装うか
現実がどうあれ自分の夢だけ見て楽しくやろーぜ、と刹那的な馬鹿アーティストを装うか
そのどちらかが非常にカッコイーことだとされ続けてきたのだけど、
もう いいかげん そういうことじゃないだろ、と。
大人になるならないとか子供の心を捨てる捨てないじゃなくてさ。
クソみたいな現実の延長線上にある、超悲観主義みたいな夢が必ずあるはずで、
僕らそういうものをつかまなきゃいけないんじゃないか。
あー だめだ なんか雲をつかむみたいなしょうもない話になってきたけど
もっと身近でささやかな発想だったはずなんだけど。
早い話が、悲観で止まらずにいれば進む余地はまだまだあるはずだってこと。
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